「有名なバンドのロゴに見る世界観」の第9回です。前回に引き続き、今回も有名海外ロックバンドのロゴをご紹介します。
今回ご紹介するのは、60年代より活躍したイギリスのロックバンド「ザ・フー」のロゴです。イギリスの若者たちが50年代後半から60年代にかけて起こしたモッズムーブメントを代表するバンドの内の一つだと言われています。
さて、このザ・フーのロゴマーク。hとhが繋がったフォントもさることながら、背景に使用されている青・白・赤の三色の円形のマークが特徴的です。
このマークは、ターゲットマークと呼ばれています。これはイギリス空軍が用いたデザインで、飛行機などにデザインとして用いられました。
そして、このマークはモッズ・カルチャーの象徴としても扱われました。
何故このマークがモッズ・カルチャーを代表するマークとして扱われ始めたのかは諸説あり、定かな由来は分かっていません。
英国で徴兵制が廃止になった直後にモッズ・カルチャーが盛り上がってきたという話もあり、旧世代へのパロディとも言われていますが……
ザ・フーはこのモッズ・カルチャーを象徴するマークを自身のロゴマークデザインに採用したのですね。
ロック音楽というものが、今よりももっと、若者のムーブメントとして一体感を得ていた時代、ということなのでしょうね。