愛知県の名古屋駅に建つオフィス&商業の複合施設「ミッドランドスクエア」。
オシャレで近代的な建物は名駅地区でひときわ目を引くランドマークです。凛と建つ最先端のデザインビルのロゴは、意外なことにとても「和」をイメージしているんですよ。
ロゴの制作者は名古屋市出身の女性グラフィックデザイナー・加藤三喜さん。
ロゴマークに使われている色は日本の伝統色である「縹(はなだ)色」。縹色には深縹~白縹まで濃淡がありますが、採用されているのは「深縹」。落ち着き、品格、風格と抑えた華やかさをイメージされています。
以前紹介した新銀行東京も、日本の伝統色である「江戸紫」と「芥子色」を採用していました。国民のDNAに刻まれた記憶が、初めて見るロゴマークを親しみと信頼を感じる物にしてくれているように思います。
ミッドランドスクエアの建つ名古屋は、日本の中心。オフィス棟には海外からの来訪者も多いことから、「日本の心・美意識」を表したいそうです。それと同時にデザインの基本となっている「mとs(Midland Square)」をシンボリックにすることで西洋的なイメージもあわせ持たせています。
ミッドランドスクエアはロゴの基本概念として「オフィスと商業の複合施設「ミッドランドスクエア」のコンセプトは「格調と賑わい」。これを基本概念として、時代に流されない伝統・歴史性といった本質的価値を保ちつつ、次代に向けて絶えず進化する現代性・革新性を兼ね備えたもの」としています。
ミッドランドスクエアのロゴはどことなく、日本の印鑑のデザインに似ているようにも思えます。新しさを追求するだけでなく、伝統や自身の役割をも兼ね備えているんですね。
空港は外国のお客さんにPRするために日本を意識した空間デザインにしているところがあります。世界を相手にするからこそ、「混ざってしまうようなグローバル化」は避け、日本という独自性を押していく。日本はある意味、国自体がブランドですから、信頼も得やすいのです。海外の人は日本人以上に自国への愛が強いもの。その人たちの共感を得るには、自らが属する物を愛するということが大事だと思います。
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