「プロのロゴデザイナーに頼むデザイン作成はこんなに違う」の第8回です。前回は、主にアメリカを舞台に活躍した巨匠をご紹介しましたね。
今回は、国内で活躍する有名ロゴデザイナーの中でも、比較的若手と呼べる人物について、お話しいたします。
2002年に月桂冠株式会社の新ロゴをデザインしたことでも知られる、服部一成氏です。
ロゴデザインとしては他に、三菱一号館美術館、JCB ORIGINAL SERIES、映画『海でのはなし。』、雑誌『流行通信』なども手掛けています。その他、辞書のデザインや書籍の装丁、はたまたCDジャケットデザインなど、多方面に活躍するデザイナーであると言えます。
服部氏は、1964年、東京都で生まれました。東京芸術大学に進み、2001年からはフリーランスのデザイナーとして活動しています。
服部氏の作風として、計算され尽くしたデザインというよりは、偶然性を潜ませたデザインが多く見られます。
これに関して服部氏は、キューピーの広告を新たに手がけることになった際に、それまでのキューピー広告が持っていた、優れた「完成されたデザイン」に対抗するために、違うことを試みてみた、という風に語っています。
挑戦的なコンセプトを定め、それに向かってブレずに制作が行われているからこそ、服部氏の作品はいつでも新鮮に見えるのでしょうね。