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百足紋は武門に愛されました

今回取り上げる家紋デザインは、具象的なもの。それも、あまりに描写がリアル過ぎると気色悪く感じてしまうかもしれない、「百足紋」です。


武田信玄の近習衆には、ムカデ差物衆という一派が居ました。戦の際、彼らの掲げる旗には、赤地で黒色のムカデが描写されていたと言います。そこで描かれるムカデは、頭を下に、尾を上にしている構図でした。
旗に描くことを勘案すると、そのようなデザインが都合良かったのかもしれません。

しかし家紋のデザインとなる場合は、大抵、胴体を巻き、頭部を中央に描くような構図が取られます。一匹で描かれるのが普通ですが、中には二匹描かれたり、同じく二匹でも親子で描かれたり、などといったデザインの家紋も存在します。

万人受けする見た目で無い上に毒爪を持つムカデですが、武神である毘沙門天の使いであると知られます。
その由来や、後ろに下がらないという性質、攻撃的である様、脚の多さなどから、武門には愛されました。伊達政宗の従兄弟である、伊達成実も兜の前立デザインに使用しています。
また、脚の多さは、「客足の多さ」も連想させる為、武家だけでなく商家においても縁起物として扱われました。

使用例としては、日戸氏、本橋氏、粟津氏、白石氏などの各家が挙げられます。