「ロゴマーク作成と知っておきたい商標のお話」の7回目です。前回までは、商標法そのものに関するお話をしてきましたね。
今回は商標法が適用された実例、つまり、「商標問題」にまつわる話を取り上げようと思います。
少し前の話になりますが、「堂島ロール」を製造していることでお馴染みのモンシュシュという企業が、「モンシュシュ」というチョコレートの商標権を侵害しているとして、その製造元であるゴンチャロフ製菓に訴訟を起されていました。
その判決は今年の6月になって下され、大阪地裁はゴンチャロフ製菓の訴えを認め、モンシュシュに看板での社名使用差し止めと約3560万円の賠償を命じました。
モンシュシュがこの商号に変更したのは、2007年。対して、ゴンチャロフ製菓がモンシュシュの商標権を獲得したのは1981年です。
これまでの商標に関する記事を読んで下さっている方ならばお分かりになるでしょうが、これは明らかに商標権の侵害です。
商号をただ会社名として用いるだけなら良いのですが、モンシュシュは店舗のガラスに大きく表示したりしていたので、商標権を侵害していると判断されたという訳です。
ですから、モンシュシュは商号変更を言い渡されたのではなく、看板での使用差し止めという指示のみがなされています。
それにしても、事前に商標調査をしていればこの様なややこしい事態は防げたと思うのですが……
気をつけるようにしたいですね。