このブログでご紹介しているロゴのデザインは、弊社の制作実績では無いものも含まれています。
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ぴあのデザインが放つ存在感は抜群ですね

「映画・書籍装丁に見るロゴマーク」の第四回です。
雑誌の表紙というものは、書店でズラリと並べられる中で、手に取りたくなるような存在感が必要です。
各社各誌、様々なデザインを用いてそれを達成しようとするのですが、その中でも「ぴあ」のデザインは格別の存在感を伴って書棚に挿されていた気がします。

ぴあは、2011年7月をもって雑誌媒体での活動を終了しました。
表紙イラストは及川正通氏が担当し、毎回異なる有名人の似顔絵を独特のタッチで描いていました。このイラストが、書店を訪れた客の目を引きつけるのに一役買っていたと言えるでしょう。

また、「ぴあ」というロゴタイプも独特で、一目見たら忘れることの出来ないインパクトを持っていました。たとえ小さく、さり気なく書かれていたとしても、チラッと目に映ればロゴタイプの雰囲気だけで「あ、ぴあだな」と認識出来るような、そんな強い主張を持ったデザインであると言えます。

ぴあのロゴタイプをデザインしたのは、中西元男氏です。
中西氏は経営戦略デザインの分野において黎明期から研究を重ねてきた人物で、ぴあ創設者であり社長の矢内廣氏は、「中西氏は確かに、ぴあのロゴデザインをしてくれた。しかし最も重要な点はデザインそのものでは無い。中西氏は、ぴあという企業の考え方の指針を示してくれた。それが我々の関係性の中で最も重要なことだ」という意味の発言をして評しています。

ぴあの存在感は、こうした人々の関係性の中で生まれたのかもしれませんね。