日常でよく目にする商品のパッケージというのは、実はかなり計算されたデザインである場合が多かったりします。
ティッシュのブランドとして1、2の知名度を誇る「スコッティ」。
このティッシュ箱のデザインも、様々なことを考慮した上で出来上がったものなのです。
スコッティのパッケージデザインを担当したのは、松永真氏です。
松永氏は、1986年のスコッティのデザイン・コンペに参加しました。
コンペの際、「花柄と決められたロゴを使う」というルールがあったのですが、松永氏はその両方のルールを破りました。
「店頭に並んでいるときは花柄も目立って良いかもしれないが、家に帰ると目障りになる」
「日本の狭い家の中で花柄に主張されたくないだろう」
「花柄で無いなら、ロゴもそれに相応しいものに変えなければいけない」
そう言って、コンペのルールを無視し、ロゴまで一から作り直したデザインを提出したのです。
「使わないときはインテリアに溶け込んで、必要とした時は瞬時に場所が確認出来るような」、そのティッシュ箱のデザインは、見事採用されました。
松永氏曰く、「コンペのルールを破ることが目的だったわけでは無い。ルールを破ることはとてもリスキーである。だから、ルールを破って良いのはそのルールを超えている場合だけだ」とのことです。
デザイナーとしての誇りと気概を感じる言葉ですね。