このブログでご紹介しているロゴのデザインは、弊社の制作実績では無いものも含まれています。
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ミルトン・グレイザーのプロらしいこだわり

「プロのロゴデザイナーに頼むデザイン作成はこんなに違う」の第13回です。前回は、スターバックスのロゴデザインを手掛けたことで有名な海外デザイナー、テリー・ヘクラーについてのお話し致しました。
今回もまた、海外の有名ロゴをデザインしたデザイナーについてのお話です。

今回ご紹介するプロのロゴデザイナーは、「I LOVE NY」のロゴをデザインしたことで有名な、ミルトン・グレイザーです。

ミルトンによってこのロゴが生み出されたのは、1977年のことです。
彼がこのデザインを考案したのは、なんとタクシーの中。ニューヨークのタクシーに乗っている最中にふとひらめいて、即座にポケットの中にあった赤いクレヨンで封筒の切れ端にスケッチを残したのだとか。

このロゴが生まれた70年代のニューヨークは、大規模停電に伴った強盗や暴動などの増加、治安の悪化、更には財政難も加わって、観光業界はかなりの痛手を負っていました。
そんな中、どうにかニューヨークの名誉とイメージを回復させようと、ミルトンにロゴデザインが依頼されたのです。

因みに、このロゴの著作権はニューヨーク州が所有しています。
ロゴによる年間の収益は3000万ドルほどであると言われていますが、デザインしたミルトンは全くその利益を享受していないのだとか。
「ニューヨークを助ける為に無償で仕事を引き受けたから」とのことですが、プロのデザイナーのこだわりというのは、やはり並大抵のものではありませんね。