世の奥様方には、見慣れたロゴであることでしょう。
今回は、この花王のロゴデザインに関する話を致します。
このロゴなのですが、実は2009年から使用され始めたものなのです。それ以前のロゴは、「kao」のロゴタイプが「花王」と漢字で表記されていました。もちろん、殆どの人がそちらのロゴにも馴染み深いことでしょう。
「kao」という表記になったのは、グローバルな経営を意識してのことだと思われますが、もともと「花王」という漢字表記自体に大した意味は無かったので、変更するに際して躊躇うことも無かったのではないでしょうか。
というのも、実は「花王」というネーミングは化粧石鹸を「顔洗い」と呼んでいたところに由来するのです。発音が「顔」に似ていて、高品質なイメージを想起させる「花王」を用いよう、という理由なのですね。
ですから新しく「kao」という表記になったのは、有る意味では、由来である「顔」そのものに近づいた、原点回帰のデザイン変更である、と言えなくも無いのかもしれません。
ところで、その「顔洗い」と呼ばれていた頃、具体的には1890年頃ですが、その時代に作られたロゴは今のロゴとはかなり雰囲気が違います。
「美と清浄のシンボル」である月をデザインに使用している点は現在と一緒なのですが、今となってはあまり受け入れられやすいデザインには感じないのが正直なところです。
花王のロゴは、この時から8回もデザインの変更を実施して今に至ります。時代ごとにニーズを読んで、求められるデザインを常に模索してきたのですね。