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誰もが知ってるイーイン・ルー氏の「クジラ」

「プロのロゴデザイナーに頼むデザイン作成はこんなに違う」の第11回です。前回は、英国グラフィックデザイン界の巨匠、アラン・フレッチャー氏についてお話し致しました。
今回は、うってかわって若手のデザイナーをご紹介します。

今や、このクジラを知らないネットユーザーは居ないのではないでしょうか?
ツイッターのアクセスエラー時などに見ることのできる、いわゆる「ツイッターのクジラ」です。

このクジラをデザインしたのは、イーイン・ルー氏。イーイン氏は上海生まれのシドニー育ちで、ロンドンとシドニーの2箇所で美術を学びました。
因みに、彼女の名前は漢字では「陸怡穎」と表記されます。

「ツイッターのクジラ」で一躍有名になった彼女ですが、Anna Sui New Yorkや、メイベリン、JWTなどの企業広告においても、そのデザインが起用されています。

「ツイッターのクジラ」は、もともと「Lifting a Dreamer(夢見る人を運ぶ)」というタイトルの、イーインがごく私的に描いたカードイラストでした。
その時のデザインでは、まだあのクジラは存在せず、何と代わりにゾウが描かれていました。ゾウが鳥たちに運搬されていたのです。
イーイン氏は、自らの大きな願望をゾウによって表現し、「自由の精神と希望」というイメージを鳥たちに預けました。

そのイラストに手が加えられて「ツイッターのクジラ」となるのは2007年のことですが、その理由というのは「当時、ニューサウス『ホエールズ』州に住んでいたから」という、ニューサウスウェールズ州とホエール(クジラ)を引っ掛けた、冗談のようなものだったのだそうですよ。

それも当初は私的なカードイラストとして描かれたのですが、ふとしたきっかけでツイッターの創業者の目に留まり、オーバーロード時のイラストに採用された、とのこと。

「ツイッターのクジラ」は、「ツイッターのゾウ」になっていた可能性もあったんですね。