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謎多いデザインの巴紋

朝日将軍こと木曾義仲の愛妾、巴御前は巴の紋様を好んだといいます。それゆえ、彼女は巴御前と呼ばれました。
つまり、家紋として用いられる以前より巴の紋様は広く知られていたということです。

しかし、そのルーツは今ひとつハッキリとしません。
水の渦巻く様に似ている為、火災などに対応するための水、すなわち龍神信仰と結び付けて考えられるのが一般的ですが、その他にも、火炎であるとか人魂であるとか、更には胎児の様子であるという説まで、様々な可能性が検討されています。

また、日本だけのものでもなく、中国は勿論のこと、中央アジアやスキタイの文化にまで巴の紋様が登場します。
更に、これを十字や卍と同系統の紋様であると考えるとまた複雑な分布を見せることになり、世界全体を視野に入れねばならなくなります。
まさに、人類が共通して持つ紋様と言えるでしょう。

さて、デザインとしては上に掲げた三つ巴が最も有名であると言えるでしょう。
この三つ巴を「右三つ巴」と言うのか「左三つ巴」と言うのかは意見の分かれるところであり、つまり頭の太い方が右に向かうのを右と言うのか尾っぽの細い方が右に流れるのを右と言うのかが、これまたハッキリとしないのです。

実に謎の多い、神秘的な家紋であると言えますね。