変わらないデザインは、安心感を与えますね。
今回取り上げるパッケージデザインは、液状のりのアラビックヤマトです。
発売して以降ロングヒットを続けるこの商品は、35年あまり殆どパッケージが変化していません。
ヤマトの公式見解としては、「機能に支障がなければ短期間でデザインを変更する必要は特になく」、「機能優先のデザインはシンプルで飽きられることが少なく」、「機能美が備わっている」ということなのだそうです。まったく、その通りと言えますね。
自信たっぷりのデザインであるということが窺えますが、それもそのはず。アラビックヤマトの開発には、何と3年という長い時間を要していたのです。
その中でも一番苦労したのは、特殊スポンジキャップのデザインなのだとか。
ウレタン製のスポンジと合成繊維のメッシュを組み合わせ、塗り口を固まらせず、目詰まりすることもなく、使用時にすぐに使えるようにしたのです。
もちろん、キャップだけでなく容器本体も押される力加減などを考慮した上でデザインされていますし、出るのりの量なども十分に考えられています。
因みに、このパッケージデザインを手掛けた人物というのは、特定のデザイナーという訳ではありません。当時の社長主導の下、数名の社員たちが力を合わせてデザインしました。
試行錯誤による、アノニマスデザインだったのですね。