バレンタインの時期も過ぎて久しいですが、チョコレートに関するエピソードを一つ。
チョコレート業界の有名ブランドの一つ、「ゴディバ」のロゴです。
余裕のある文字間と、シンプルで細身なロゴタイプが上品さを感じさせます。
ロゴタイプの魅力もさることながら、特徴的なロゴマークは、多くの人々を魅了していると言えるでしょう。
このロゴマークは、実はそもそも「ゴディバ」というブランド名にも深く関わっているものなのです。
「ゴディバ」という名は、11世紀イギリスのコベントリーという町に居たという伯爵夫人「レディ・ゴディバ」に由来しています。
ロゴマークには馬と裸婦が描かれているのが分かると思いますが、その裸婦のモデルこそが、レディ・ゴディバなのです。
当時のコベントリーにおいては、領主のレオフリック伯爵が重税を課すため、領民たちは貧困に苦しんでいました。
それを見かねたレディ・ゴディバは、夫であるレオフリック伯爵に税を引き下げるように嘆願します。
伯爵ははじめレディ・ゴディバの嘆願を聞き入れませんでしたが、何度も食い下がる彼女と議論することに疲れた末、「お前が一糸纏わぬ姿で馬に乗り、コベントリーの町中を走り回ることが出来たなら、その時は税を軽くしよう」と告げました。
翌日、レディ・ゴディバは伯爵の発言内容を実行しました。
その際、領民たちは彼女に敬意を払って家の窓を閉め、その姿を見なかったと言います。
そして、伯爵は約束通り税を引き下げました。
ゴディバのロゴマークは、そんなレディ・ゴディバの勇気と深い愛に、感銘を受けてデザインされたものだったのです。