ガソリンスタンド看板というのは、視認性に優れたものでなければなりませんよね。
その点、昭和シェルのロゴは看板としても耐え得る、良いロゴであると言えるでしょう。
赤と黄色のビビッドな色使いは、インパクト抜群です。
しかし、このロゴは元々のデザインからは大きく異なります。
こちらが、そのロゴ。かなりリアルな、ムール貝のシルエットです。
実は、昭和シェルという企業は、オランダに本拠地を置くロイヤル・ダッチ・シェルの国際グループ企業なのです。
ロイヤル・ダッチ・シェルの前身にあたるサミュエル商会を創設したマーカス・サミュエルは、来日した際に三浦海岸で見つけた貝を美しく思い、その後、貝殻細工を製造販売して財をなしました。
その勢いのまま輸出入事業を始め、これまた成功し、マーカスの息子たちの世代になる頃から、石油事業に乗り出します。
石油事業の社名を決める際に、貝殻を販売していた頃の企業としての初心を忘れないように「シェル」という言葉を入れ、そして、ロゴマークには貝のデザインを用いたのです。
デザインがムール貝からホタテ貝に変更されたのは1904年のことで、変更後のロゴは「ペクテンマーク」と呼ばれています。
因みに「ペクテン」とは、ホタテ貝の一種です。